既に掲載決定についてはお知らせしましたが,Q&Aタイプの知識共有コミュニティに関する下記の学術論文が,『社会心理学研究』に掲載されました.TTMを使用したテキストマイニングを主とする分析結果を報告しています.
三浦麻子・川浦康至 (2009)
内容分析による知識共有コミュニティの分析:投稿内容とコミュニティ観から
社会心理学研究, 25(2), 153-160.
【概要】
本研究は、質問と回答という参加者間の相互作用を基盤とする情報蓄積によって形成されるオンライン上の知識共有コミュニティに着目し、内容分析によってその特徴を検討したものである。質問・回答投稿文の分析からは、コミュニケーション・ディスコースに関する先行研究の知見と同様の性差が見られ、特に女性の対人関係志向が顕著であった。また、コミュニティ観の分析からは、参加者がそれぞれの立場からコミュニティの有用性を評価し、質問・回答投稿のそれぞれを気構えなく行っている傾向が示された。三浦・川浦(2008)で指摘された、コミュニティ全体やそこで展開されるコミュニケーションに対するポジティブな評価は、こうした参加者の態度に根ざしていることが示唆された。
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なお,まもなくCiNiiから論文PDFがダウンロードできるようになる予定ですが.内容についてご関心のある方には,ドラフト等を差し上げることも可能です.お気軽にご連絡ください.調査実施に際して多大なご協力を得たヤフー株式会社の皆様,調査にご協力くださったYahoo!知恵袋ユーザの皆様をはじめとして,関係者の方々に改めて深く感謝申し上げます.