論文刊行

以下の論文がFrontiers in Psychology誌に掲載されました.

Miura, A., & Kobayashi, T. (2016). Survey Satisficing Inflates Stereotypical Responses in Online Experiment: The Case of Immigration Study. Frontiers in Psychology, 7:1563.  doi: 10.3389/fpsyg.2016.01563

オンライン調査に回答する際に協力者が応分の注意資源を割こうとしない行動(努力の最小限化;Satisfice)が心理学の研究結果に及ぼす影響について検討しました。調査冒頭で努力の最小限化をした協力者は、事後の人物イメージ評価において、その人が他国民の場合は、その人の性格に関する情報よりも、その人の国籍に応じたステレオタイプにひきずられた回答をする傾向がありました。しかし、こうした傾向は、努力の最小限化に警告を与え、回答者の行動を修正することである程度解消されることがわかりました。

プレスリリース(関西学院大学)


オンライン調査における努力の最小限化(Satisfice)に関する5本目の論文です.この研究はとりあえずこれで一区切りになると思います.公刊された論文は,以下のとおりです.研究に協力して下さった回答者の皆様,どうもありがとうございました.

三浦麻子・小林哲郎 (2015a). オンライン調査モニタのSatisficeに関する実験的研究 社会心理学研究, 31(1), 1-12. doi: 10.14966/jssp.31.1_1 ★学会ウェブサイト「論文ニュース」記事

三浦麻子・小林哲郎 (2015b). オンライン調査モニタのSatisficeはいかに実証的知見を毀損するか. 社会心理学研究, 31(2), 120-127. doi: 10.14966/jssp.31.2_120 ★学会ウェブサイト「論文ニュース」記事

三浦麻子・小林哲郎 (2016a).  オンライン調査における努力の最小限化(Satisfice)傾向の比較:IMC 違反率を指標として メディア・情報・コミュニケーション研究, 1, 27-42.

三浦麻子・小林哲郎 (2016b). オンライン調査におけるSatisficeを検出する技法:大学生サンプルを用いた検討 社会心理学研究, 32(2).

Miura, A., & Kobayashi, T. (2016c). Survey Satisficing Inflates Stereotypical Responses in Online Experiment: The Case of Immigration Study. Frontiers in Psychology, 7:1563.  doi: 10.3389/fpsyg.2016.01563