中村(2018)

高次認知研究におけるベイズ的アプローチ

中村國則

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本論文の目的は,思考・推論といったいわゆる高次認知研究におけるベイズ的アプローチの発展と貢献について概観し,考察することである.この目的のため,本論文は因果推論,仮説検証といった分野におけるベイズ的アプローチの代表的な研究を紹介し,ベイズ的アプローチの定着や発展には,(1)研究対象に対する理論的考察といったベイズとは別の側面の理論的な整理,(2)人間にはある程度の合理性や認知的能力を仮定してもよい,といった人間観の変化,の2点が必要であったことを論じた.そのうえで,その説明力を重視するよりは,研究対象を深く理論的に考察することがベイズ的アプローチの発展にとって重要であると結論した.

キーワード:高次認知,ベイズ的アプローチ,合理的モデル,記述的モデル,最適性