竹林(2018)

しなやかな臨床試験デザイン: 適応型デザインによる効率化

竹林由武

【論文PDF】

臨床試験は,事前に設定された特定の状況下で,人を対象に実施された介入の効果を評価する前向き研究である。臨床試験の研究計画においては,試験実施前に例数が厳密に制御される頻度流アプローチが主流である。その一方で,試験実施にかかるコストの削減や倫理的な要請から,試験進行中に蓄積されるデータに基づいて柔軟に試験の継続や中止を判断する適応的なベイズ統計学流アプローチによる臨床試験が,医薬品や医療機器開発の分野で推奨されてきている。しかしながら,心理学的介入の分野では,ベイズ統計学流の枠組みによる適用は極めて乏しいのが現状である。そこで本稿では,ベイズ統計学流の適応的アプローチによる臨床試験のデザイン手法を概観し,心理学的介入研究への適用上の利点と課題を検討し,仮想的な適用事例を紹介する。

キーワード: 臨床試験デザイン, ベイズ統計学流, , 予測確率, 適応的ランダム化, 事前分布