竹澤(2018)

心理学におけるモデリングの必要性

竹澤正哲

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この10年ほど、心理学は再現可能性と呼ばれる深刻な問題に直面してきた。この問題を解決するために、様々な方法論的、制度的な改革が提案されている。たとえば追試研究やネガティブな実験結果を公刊することの奨励、学術誌における事前登録制度の導入、そして偽陽性の発生を防ぐための統計手法の導入などである。本稿ではまず、こうした従来提案されている手法では、心理学を取り囲む危機から脱することは困難であることを、科学的発見の集団動態モデルの結果に基づいて指摘する。そして心理学の根本的な改革のためには、心理学の外部における科学の諸領域で採用されている、モデリングという営みを導入することが必要であることを指摘する。

キーワード:メタ科学、再現可能性問題、フォーマル・モデル、ベイジアン・モデリング