新型コロナウイルス肺炎流行に関する情報拡散について,2020年2月1日付の朝日新聞東京本社版等の社会面(同1月31日付配信の朝日新聞デジタル記事)にコメントが掲載されました.以下,私のコメント部分を引用します.
「ネット上の人間行動を研究する三浦麻子・大阪大教授(社会心理学)の話」
新型肺炎の致死性などが不確かで状況が変化するなか、人は、恐怖や不安にかられて身近なリスクをより知りたがる。そうしたリスクについて、自分の予想と合致するような情報が流れてくると、デマでも気づかずに受け止めてしまう傾向がある。WHOや厚生労働省といった責任ある機関が出す感染症への対応や対策など、一次情報をウォッチし続けることが重要だ。
また今回、自分の正しさを主張するために、このニュースに乗じてヘイト的な言説を拡散している人もいるようだ。社会的に立場のある人や公職にある人は自らの意見よりもまず、客観的な情報の発信に努める必要がある。良かれと思った行為でも、結果的にデマの拡散につながることもある。いたずらに情報を発信しない、というのも一つのあり方だ。
本コメントに関連する下記の研究についても,先般朝日新聞でご紹介いただきました.
Komori, M., Miura, A., Matsumura, N., Hiraishi, K., & Maeda, K. (2019). Spread of risk information through microblogs: Twitter users with more mutual connections relay news that is more dreadful. Japanese Psychological Research, 63(1).