2022年2月15日より,関西学院大学社会学部・稲増一憲教授と共同で,兵庫県赤穂市の有権者1400名の方々を対象にアンケート調査を実施しました.977名にのぼる方々がご回答くださいました.心より御礼申し上げます.
ご協力いただいたデータの集計結果は,こちらのウェブサイトでご報告しております.ポイントは以下の通りです.
高い調査協力率
前回7割「近く」だった協力率が今回は7割をわずかですが上回りました.これは統計的に意味のある差ではありませんが,いずれも「非常に高い」ことは間違いありません.
安定した傾向
この調査では,毎年度の調査で基本的には同じ質問をさせていただいています.同じ質問をすることで,1年という大きなスパンではありますが,「変化」の様子を読み取ることができるからです.2019年以来の調査でわかることは「ほとんど変化がない」ことです.そのことに善し悪しはありますし,誰しもがまったく平穏であることを意味してもいませんが,赤穂市の状況が全体的な傾向として安定していることは確かだと言えそうです.
新型コロナウイルス感染症関連
昨年に引き続いて「感染したのは本人のせいだと思うかどうか」と「非常時の私権制限」についてお尋ねしました.前者は「本人のせい」とする回答がやや減っていました.私権制限についてはほぼ変わりなく,否定的な意見が多かったです.感染者の数は増え(つまり,驚くべきことではなくなり),ワクチン接種は進んでいる(つまり,感染リスクは減った)ことから,感染者に対する排斥的な態度はようやく緩和されてきているようです.
市政評価
重要度が高い一方で満足度は低い「医療体制の充実」と「公共交通の利便性の確保」において,満足度が昨年より低下していました.赤穂市民病院での医療事故,JRダイヤ改正による運行数の減少など,この1年に発生した問題がダイレクトに影響しているものと思われます.
新規項目に対する回答
2023年1月に予定されている赤穂市長選挙を前に,今回は市長選に対する関心とその理由をお尋ねしました.「やや/非常に 関心がある」との回答が75%ほどでした.回答の理由を自由に書いていただいた内容を「共起ネットワーク分析」という手法で分析したところ,前述の赤穂市民病院問題がほぼ唯一「関心の高さ」と強い関連を持つ具体的なトピックであることがわかりました.