兵庫県赤穂市でアンケート調査を実施しました

2023年2月3日より,関西学院大学社会学部・稲増一憲教授と共同で,兵庫県赤穂市の有権者1373名の方々を対象にアンケート調査を実施しました.
895名(65.4%)もの方々からご回答を頂戴しました.ありがとうございました.

ご協力いただいたデータの集計結果をこちらでご覧いただけます.

兵庫県赤穂市でアンケート調査を実施しました

2022年2月15日より,関西学院大学社会学部・稲増一憲教授と共同で,兵庫県赤穂市の有権者1400名の方々を対象にアンケート調査を実施しました.977名にのぼる方々がご回答くださいました.心より御礼申し上げます.

ご協力いただいたデータの集計結果は,こちらのウェブサイトでご報告しております.ポイントは以下の通りです.

高い調査協力率

前回7割「近く」だった協力率が今回は7割をわずかですが上回りました.これは統計的に意味のある差ではありませんが,いずれも「非常に高い」ことは間違いありません.

安定した傾向

この調査では,毎年度の調査で基本的には同じ質問をさせていただいています.同じ質問をすることで,1年という大きなスパンではありますが,「変化」の様子を読み取ることができるからです.2019年以来の調査でわかることは「ほとんど変化がない」ことです.そのことに善し悪しはありますし,誰しもがまったく平穏であることを意味してもいませんが,赤穂市の状況が全体的な傾向として安定していることは確かだと言えそうです.

新型コロナウイルス感染症関連

昨年に引き続いて「感染したのは本人のせいだと思うかどうか」と「非常時の私権制限」についてお尋ねしました.前者は「本人のせい」とする回答がやや減っていました.私権制限についてはほぼ変わりなく,否定的な意見が多かったです.感染者の数は増え(つまり,驚くべきことではなくなり),ワクチン接種は進んでいる(つまり,感染リスクは減った)ことから,感染者に対する排斥的な態度はようやく緩和されてきているようです.

市政評価

重要度が高い一方で満足度は低い「医療体制の充実」と「公共交通の利便性の確保」において,満足度が昨年より低下していました.赤穂市民病院での医療事故,JRダイヤ改正による運行数の減少など,この1年に発生した問題がダイレクトに影響しているものと思われます.

新規項目に対する回答

2023年1月に予定されている赤穂市長選挙を前に,今回は市長選に対する関心とその理由をお尋ねしました.「やや/非常に 関心がある」との回答が75%ほどでした.回答の理由を自由に書いていただいた内容を「共起ネットワーク分析」という手法で分析したところ,前述の赤穂市民病院問題がほぼ唯一「関心の高さ」と強い関連を持つ具体的なトピックであることがわかりました.

兵庫県赤穂市民を対象とした社会調査に関するサイトを作成しました

私たちは,災害リスクの高まりや景気状況の変化などによって日々の生活に様々な問題が起こっている昨今,国政のみならず地方政治と私たちの関わりのあり方に改めて目を向ける必要性を痛感し,2015年以来,兵庫県赤穂市を対象として学術研究を進めています.このたび,赤穂市民の方々を対象にして実施した社会調査の結果をご報告するサイトを作成しました.

調査対象者は,選挙権を持つすべての赤穂市民の方々のお名前とご住所が記載された赤穂市選挙人名簿の中から無作為に選ばせていただきました.選挙人名簿の閲覧については,公職選挙法第28条の3に基づく正規の手続きを経て赤穂市役所に閲覧申請を行い,「学術研究のみを目的としている」として許可されたものです.なお,本アンケートは赤穂市ならびに選挙管理委員会とは無関係に企画・実施するものですが,2020年以降は,市からのご要望に応じて,ここで公開する報告書の内容はお知らせしております.

兵庫県赤穂市社会意識に関するアンケート https://sites.google.com/view/akosurvey/

新型コロナウイルス感染禍に関するインタビュー集公刊

三浦麻子・村上靖彦・平井啓(編)
『異なる景色:新型コロナウイルス感染禍に際する感染経験者・医療従事者へのインタビュー記録』

本インタビュー集は、今般の新型コロナウイルス感染禍にさまざまな立場で関わられた方々に、なるべくありのままにその経験をお話しいただいた語りの記録です。新型コロナウイルス感染症に関わる方々がなさった経験は一人一人異なります。それらの「異なる景色」を記述することが私たちの最大の目的ですが、それを未だ感染禍にある今のタイミングで、より多くの方々に読んでいただきたいと考えて、研究の成果を急ぎ取りまとめ、公開に至りました。どなたでも無料で閲覧・ダウンロードしていただけます。

なお、本インタビューの実施及び刊行は、令和2年度大阪大学大学院人間科学研究科ヒューマン・サイエンス・プロジェクト分野間共同研究「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)禍における人間科学:実態調査と介入研究による探求」の一環として行われました。

兵庫県赤穂市「社会意識に関するアンケート」ご報告

2020年2月20日から兵庫県赤穂市にお住まいの方々を対象として「社会意識に関するアンケート」を実施しました.災害リスクの高まりや景気状況の変化などによって日々の生活に様々な問題が起こっている昨今,国政のみならず地方政治と私たちの関わりのあり方に改めて目を向ける必要性を痛感し,2014年以来、赤穂市を対象として進めてきた学術研究の一環です.今回も1103名と非常に多くの方から貴重なご回答を頂戴しました(回収率53.8%).心より御礼申し上げます.

以下から,単純集計結果報告書をご覧いただくことができます.

「社会意識に関するアンケート」単純集計結果報告書

兵庫県赤穂市でアンケート調査を実施しています

2020年2月20日より,関西学院大学社会学部・稲増一憲教授と共同で,兵庫県赤穂市の有権者2000名の方々を対象にアンケート調査を実施しています.

お手元にアンケート用紙が届いた皆様,できればご協力をお願いいたします.返送用封筒(送料不要)をお使いいただき,3月15日までに郵便ポストに投函していただければ幸いです.

ご協力いただいたデータの集計結果は5月初旬頃に本ウェブサイトでご報告する予定です.

→赤穂市広報Facebookでご紹介いただきました:https://t.co/KP9NgJolAr

→2020年2月22日付赤穂民報2面でご紹介いただきました:http://www.ako-minpo.jp/data/d00143/f14384_0.pdf

新聞記事へのコメント掲載

新型コロナウイルス肺炎流行に関する情報拡散について,2020年2月1日付の朝日新聞東京本社版等の社会面(同1月31日付配信の朝日新聞デジタル記事)にコメントが掲載されました.以下,私のコメント部分を引用します.

「ネット上の人間行動を研究する三浦麻子・大阪大教授(社会心理学)の話」

新型肺炎の致死性などが不確かで状況が変化するなか、人は、恐怖や不安にかられて身近なリスクをより知りたがる。そうしたリスクについて、自分の予想と合致するような情報が流れてくると、デマでも気づかずに受け止めてしまう傾向がある。WHOや厚生労働省といった責任ある機関が出す感染症への対応や対策など、一次情報をウォッチし続けることが重要だ。

また今回、自分の正しさを主張するために、このニュースに乗じてヘイト的な言説を拡散している人もいるようだ。社会的に立場のある人や公職にある人は自らの意見よりもまず、客観的な情報の発信に努める必要がある。良かれと思った行為でも、結果的にデマの拡散につながることもある。いたずらに情報を発信しない、というのも一つのあり方だ。


本コメントに関連する下記の研究についても,先般朝日新聞でご紹介いただきました.

Komori, M., Miura, A., Matsumura, N., Hiraishi, K., & Maeda, K. (2019). Spread of risk information through microblogs: Twitter users with more mutual connections relay news that is more dreadful. Japanese Psychological Research, 63(1).

論文早期公開

2019年11月に掲載が決定していた以下の論文が早期公開されました.それに合わせて,研究内容を日本語でまとめた記事を作成したのでご覧下さい.

Komori, M., Miura, A., Matsumura, N., Hiraishi, K., & Maeda, K. (2019). Spread of risk information through microblogs: Twitter users with more mutual connections relay news that is more dreadful. Japanese Psychological Research, 63(1).

日本語によるまとめ記事
SNSによるリスク情報の拡散メカニズムの解明―どのようなリスク情報が拡散されやすく,どのような人が拡散させやすいか―

2019年12月29日付の朝日新聞デジタル(および30日紙面)記事で研究が紹介されました.


以下のように大阪大学からプレスリリースをいたしました.

SNSによるリスク情報の拡散メカニズムを解明
―どのようなリスク情報が拡散されやすく、どのような人が拡散させやすいか―

【研究成果のポイント】

  • SNS上でどのようなリスク情報がどのような人によって拡散されやすいかを解明
  • 従来の理論モデルでは説明できない、SNSにおける情報拡散メカニズムの存在を提示
  • 虚偽情報の拡散を抑制するには信頼性をきちんと確認する「ハブ」の存在が重要であることを示唆

大阪大学大学院人間科学研究科の三浦麻子教授と大阪電気通信大学情報通信工学部の小森政嗣教授らの研究グループは、SNSでリスク情報が拡散されるメカニズムについて、実際に広く拡散したツイートの伝達経路を追跡し、拡散に影響を及ぼすリスクのタイプと拡散に加担しやすい利用者の特性を明らかにしました。

SNS上に利用者同士のつながりをあまり持たない利用者は、リスクのタイプにかかわらず多くのリスク情報を拡散させる傾向があったのに対して、多くのつながりを持つ利用者は、全体としてはリスク情報をあまり拡散させない一方で、「恐ろしさ」が強く感じられる情報については拡散させやすい傾向があることが示されました。

本研究成果は、日本心理学会が刊行している国際学術誌「Japanese Psychological Research」に2019年12月27日(金)(日本時間)に公開されました。

プレスリリースフルバージョンはこちら