刑事裁判に意見書を提出しました

2005年~11年にかけて兵庫県尼崎市で起こった連続変死事件で,3件の殺人と1件の傷害致死を含む10件の罪に問われた李正則氏の最高裁上告審において,弁護側意見書を提出しました.李正則氏ご本人の許可を得て,その内容をここに公開します.

李正則氏の行為に関する意見書

この意見書は,李正則氏が犯罪行為の当時に置かれていた,角田美代子を頂点とするコミュニティが持つ状況的特徴に注目し,こうした状況が人を,時にきわめてネガティブな行為にすら着手させる方向に動かす「力」について,社会心理学的見地から考察することを試みたものです.

こうした仕事は,社会心理学を研究するものの社会貢献としてとても重要なことだと考えています.依頼元である石橋有悟弁護士と下村大気弁護士,そして本件をお引き受けするに際してアドバイスを下さった西田公昭先生(立正大学)と戸谷嘉秀弁護士に心から感謝します.

当該上告は2018年3月6日付で棄却されました.