共著論文採択

以下の論文が,Journal of Experimental Political Science に掲載されることが決まりました.第1著者を小林哲郎さん(香港城市大学)とし,稲増一憲さん(関西学院大学社会学部・社会心理学研究センター)と3人の共同研究で,メディアの「プライミング効果」(メディアが報道するニュースは,議題設定機能を果たすだけでなく,視聴者(一般市民)が「重要な政治的争点は何なのか」を判断する際の基準の形成にも影響を与える)を実証した研究としてしばしば引用されるIyengar, Kinder, Peters, and Krosnick (1984)の実験1を追試したものです.結果はNull(原著で得られた統計的に有意な効果は見出されなかった)でした.

Kobayashi, T., Miura, A., & Inamasu, K. (2017; in press). Media priming effect: A preregistered replication experiment. Journal of Experimental Political Science.
[Final Draft] [Preregistration(OSF)]

Iyengar et al. (1984) discovered the media priming effect, positing that by drawing attention to certain issues while ignoring others, television news programs help define the standards by which presidents are evaluated. We conducted a direct replication of Experiment 1 by Iyengar et al. (1984), with some changes. Specifically, we (a) collected data from Japanese undergraduates; (b) reduced the number of conditions to two; (c) used news coverage of the issue of relocating US bases in Okinawa as the treatment; (d) measured issue-specific evaluations of the Japanese Prime Minister in the pretreatment questionnaire; and (e) performed statistical analyses that are more appropriate for testing heterogeneity in the treatment effect. We did not find statistically significant evidence of media priming. Overall, the results suggest that the effects of media priming may be quite sensitive either to the media environment or to differences in populations in which the effect has been examined.

研究知見の再現可能性検証のために,Preregistrationをした上で,なるべく厳密に(しかし現代日本の状況に合わせた)先行研究に従ったマテリアルを作成し,追試データを収集する,という手続きを誠実に履行してみた,という意味でも,よい経験になりました.なお,論文が公刊される際には実験データもDataverseで公開されるので,本研究の再分析や追試,メタ分析等の際は是非ご活用下さい.また,実験参加者募集の際はKG研究参加登録システムを活用しました.ご参加下さった皆様,ありがとうございました.

コレスポの小林さんもツイートしていますが,計画から実施,論文作成に至るまで,気心の知れた3人で楽しく(時に苦悩を共有しつつ)進めることができました.投稿から公刊までやや時間を要しましたが,こうして成果を世に問えることになり,本当によかったです.

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調査結果のご報告

2016年10月15日に開催された関西学院大学秋季オープンセミナー「対人コミュニケーションの心理学」にご参加いただいた方々を対象にご協力をお願いした「ふだんのお考えや生活に関する調査」について,簡単な報告書がまとまりましたので,調査票と共に公開いたします.

ご協力下さった197名の方々,どうもありがとうございました.

調査報告書

調査票

 

三浦麻子・稲増一憲(社会学部准教授)・村山綾(近畿大学国際学部)・田渕恵(日本学術振興会特別研究員PD)

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論文刊行

以下の論文がFrontiers in Psychology誌に掲載されました.

Miura, A., & Kobayashi, T. (2016). Survey Satisficing Inflates Stereotypical Responses in Online Experiment: The Case of Immigration Study. Frontiers in Psychology, 7:1563.  doi: 10.3389/fpsyg.2016.01563

オンライン調査に回答する際に協力者が応分の注意資源を割こうとしない行動(努力の最小限化;Satisfice)が心理学の研究結果に及ぼす影響について検討しました。調査冒頭で努力の最小限化をした協力者は、事後の人物イメージ評価において、その人が他国民の場合は、その人の性格に関する情報よりも、その人の国籍に応じたステレオタイプにひきずられた回答をする傾向がありました。しかし、こうした傾向は、努力の最小限化に警告を与え、回答者の行動を修正することである程度解消されることがわかりました。

プレスリリース(関西学院大学)


オンライン調査における努力の最小限化(Satisfice)に関する5本目の論文です.この研究はとりあえずこれで一区切りになると思います.公刊された論文は,以下のとおりです.研究に協力して下さった回答者の皆様,どうもありがとうございました.

三浦麻子・小林哲郎 (2015a). オンライン調査モニタのSatisficeに関する実験的研究 社会心理学研究, 31(1), 1-12. doi: 10.14966/jssp.31.1_1 ★学会ウェブサイト「論文ニュース」記事

三浦麻子・小林哲郎 (2015b). オンライン調査モニタのSatisficeはいかに実証的知見を毀損するか. 社会心理学研究, 31(2), 120-127. doi: 10.14966/jssp.31.2_120 ★学会ウェブサイト「論文ニュース」記事

三浦麻子・小林哲郎 (2016a).  オンライン調査における努力の最小限化(Satisfice)傾向の比較:IMC 違反率を指標として メディア・情報・コミュニケーション研究, 1, 27-42.

三浦麻子・小林哲郎 (2016b). オンライン調査におけるSatisficeを検出する技法:大学生サンプルを用いた検討 社会心理学研究, 32(2).

Miura, A., & Kobayashi, T. (2016c). Survey Satisficing Inflates Stereotypical Responses in Online Experiment: The Case of Immigration Study. Frontiers in Psychology, 7:1563.  doi: 10.3389/fpsyg.2016.01563

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ゼミ分属関連情報

(2016.10.14更新)

2017年度3年生ゼミの募集が行われています.

個別のゼミ説明会は2回とも終了しました.分属希望を提出することを考えているが,説明会に参加できなかった人は,こちらのカレンダーを参照して面談可能日時を知った上で個別にコンタクトを取って,面談を申し込んで下さい.また,こちらの資料を必ず熟読してきて下さい.

ゼミ見学(木曜1~2限;F-401)は,いつでも可能です.

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論文賞受賞

下記論文が,日本社会心理学会第18回学会賞(奨励論文賞)を受賞しました.

三浦麻子・小林哲郎 (2015). オンライン調査モニタのSatisficeに関する実験的研究 社会心理学研究, 31(1), 1-12.

受賞理由は,斬新な着眼点からの研究成果により,社会心理学のみならず他領域にもインパクトを与えたから,とのことです.まさにそれは我々の狙いとしていたところで,できれば日本の調査会社にも同様のポジティブなインパクトがあればよいと願っています.ありがとうございました.

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論文刊行

『社会心理学研究』第32巻2号に掲載予定の以下の論文が,J-Stageで早期公開されました.正式(冊子体)刊行は2016年11月の予定です.

三浦麻子・小林哲郎 (2016). オンライン調査における努力の最小限化(Satisfice)を検出する技法:大学生サンプルを用いた検討. 社会心理学研究, 32(2).

本研究の目的は、オンライン調査における努力の最小限化(Satisfice; 調査協力者が調査に際して応分の注意資源を割かない行動;Krosnick(1991))が、大学で研究者から依頼された調査に回答する大学生サンプルでどの程度生じるのかを多様な指標で測定して検討するとともに、努力の最小限化傾向を示す個人をなるべく効率的かつ正確に検出する有効な技法を探索することである。9大学で実施したオンライン調査の結果、各種検出指標の予測力は総じて高くなかった。また、測定法の差異によりオンライン調査モニタとの直接比較はできないが、大学生サンプルの努力の最小限化傾向は全般的に低かった。大学生サンプルを対象とする際は努力の最小限化傾向の検出に「躍起になる」必要はなく、むしろ調査内容によって回答環境を制御することの方が重要であると考えられる。

キーワード:努力の最小限化(Satisfice)、オンライン調査、大学生サンプル、Lasso

調査マテリアルや分析スクリプトなどのオンライン資料は→こちら(Study 3)からダウンロード可能です.
関連論文
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論文刊行

『社会心理学研究』に以下の論文が掲載されました.

三浦麻子・楠見孝・小倉加奈代 (2016). 福島第一原発事故による放射線災害地域の食品に対する態度を規定する要因: 4波パネル調査による検討.
社会心理学研究, 32(1), 10-21.

東日本大震災の原発事故で放射線災害を受けた地域の食品に対する態度について,2011年9月から2014年3月までの2年半にわたるパネル調査データにもとづき,消費者の居住地の地域差,時系列推移,個人差の3つの観点から検討しました.被災地から遠い地域でよりネガティブな傾向にあり,震災後3年を経ても大きな変化は見られませんでした.また,放射線の人体への影響に関する「適切な知識がある」ことは態度のネガティブさを低減させる一方で,「知識があるつもりでいる」ことは適切な理解にもとづく熟慮を妨げかねない可能性が示されました.ポイントは以下の3つです.

  • 放射線災害地域の食品に対する態度は、被災地から遠い地域の方がネガティブ
  • 放射線災害地域の食品に対する態度は、震災後3年を経てもあまり変わらない
  • 「適切な知識がある」ことは態度のネガティブさを低減させるが、「知識があるつもりでいる」ことは適切な理解にもとづく熟慮を妨げかねない

以下の記事は,論文内容全体をなるべくわかりやすくご説明した記事です.

プレスリリース(関西学院大学)

論文ニュース(日本社会心理学会)「放射線災害地域の食品を買うかどうかは何で決まる?」

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編著書籍刊行

2016年8月19日に,編著者として参画した下記の書籍が刊行されます.

水野誠・三浦麻子・稲水伸行(編著)(2016).
プロ野球「熱狂」の経営科学 ファン心理とスポーツビジネス
東京大学出版会

書影

プロ野球を題材に,データに基づく経営科学を消費者行動,社会心理学,経営組織論,財務会計論といったさまざまな学問分野から解説する.価値を見きわめるマーケティング,ファンがチームを応援する心理的メカニズム,選手に対する人的資源管理など,「熱狂」を支えるあらゆる要素をサイエンスの力で分析する.

私は主に「第Ⅱ部 ファンを獲得する―心理学の視点」を編集し,自身では稲増一憲さん(関西学院大学社会学部)と草川舞子さん(稲増ゼミ卒業生)との共著で「第4章 阪神ファンと広島ファン―熱狂するファンの社会心理学」を執筆しました.執筆者のほとんどが広島カープファンで,その団結力から生まれた書籍です.ちょうどカープが好調な時期に出版されることを,とても幸運に思います.

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論文採択

2011年4月から2016年3月まで博士研究員として在籍していた村山綾さん(現・近畿大学国際学部特任講師)を第1著者とする下記の論文がSocial Justice Research誌に掲載されることが決まりました.

Murayama, A., & Miura, A. (in press).
Two types of justice reasoning about good fortune and misfortune: A replication and beyond.
Social Justice Research.

詳細は,村山さんのWebサイトをご覧下さい.

また,これに関連する研究発表を,IACCP2016(8月2日・愛知県名古屋市)で行いました.

Murayama, A., & Miura, A. (2016). Is misfotune a result of past misdeeds or compensated for in the future? The 23rd International Congress of  International Association for Cross-Cultural Psychology (IACCP2016). (2016.7.30-8.3 Nagoya, Japan).

詳細は,村山さんのWebサイトをご覧下さい.

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『心理学評論』第59巻1号・特集「心理学の再現可能性」

『心理学評論』第59巻1号
特集「心理学の再現可能性:我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
刊行のお知らせとオープンアクセスサイトのご案内
http://team1mile.com/sjpr59-1/

このたび,心理学の再現可能性に関する論考をまとめた特集号を『心理学評論』誌にて刊行いたしましたのでご案内を申し上げます.
上記URLで,掲載論文PDFを(著者の了解のもと,担当編集委員の責任において)「オープンアクセス」としておりますので,どうぞご活用下さい.

プレスリリース資料はこちら

担当編集委員
友永雅己(京都大学霊長類研究所)・三浦麻子(関西学院大学文学部)・針生悦子(東京大学教育学部)

巻頭言:特集号に寄せて

●原著論文
池田功毅・平石界 心理学における再現可能性危機:問題の構造、現状と解決策
山田祐樹 認知心理学における再現可能性の認知心理学
森口佑介 発達科学が発達科学であるために:発達研究における再現性と頑健性
鮫島和行 システム神経科学における再現可能性
澤幸祐・栗原彬 動物心理学における再現可能性の問題
大久保街亜 帰無仮説検定と再現可能性
小塩真司 心理尺度構成における再検査信頼性係数の評価―「心理学研究」に掲載された文献のメタ分析から―
藤島喜嗣・樋口匡貴 社会心理学における“p-hacking”の実践例
渡邊芳之 心理学のデータと再現可能性

●コメント論文
小島康生  人間の観察研究における再現可能性の問題
松田一希  フィールド研究の再現性とは何か?
平井啓  心理学研究におけるリサーチデザインの理想
三中信宏  統計学の現場は一枚岩ではない
武田美亜  再現可能性の問題から始める心理学研究の「バックヤードツアー」
東島仁   研究公正から見た再現可能性問題
佐倉統  科学的方法の多元性を擁護する

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『心理学評論』は,すべての同学の人びとに自由な研究討論の場を提供することによって,心理学の発展に寄与することを目的として刊行されている雑誌です。
今号のような特定のテーマについての特集号のほかに,自由なテーマの一般号があります。是非投稿をご検討下さい。
http://www.sjpr.jp/

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