今日の卒論ゼミ，15名いるところが出席者は9名．6名も欠席だった．もう就活は一段落どころかほぼ終了しているので，なかなかの異常事態である．シャガール（社会学部の女子学生）が質問紙調査に来ていたので，予定数よりデータが少なくなってしまい気の毒なことだった．
それぞれ事情を問い質していくと，個人的には「なんでそういうことをするのか意味がわからん」というあれこれがあり，げんなりした．今までもげんなりなケースと，今になってげんなりなケースと両方あるのだが，それぞれ説諭しなくてはなるまい…
今日はもう一つ，卒論とは無関係にとてもげんなりしたことがあったのだが，それはここには書けない．
最近だいぶ日が昇るのが遅くなっていて，今は出勤中の電車の中で朝焼けを眺め，大学に着く頃にこのくらいの雰囲気になっている．もちろんこれから冬に向かってどんどんそのタイミングは変わっていき，もっとも夜明けの遅い頃だと大学に着いてもまだ朝焼け前，くらいになる．
昨日は天気予報では暑くなるといい，実際大阪では25度に達したようなのだが，少なくとも学内ではそんな風でもなく，むしろ日が射さない時間帯が多くて風があるので寒さを感じるくらいだった．明日から学祭（ゆえに写真の時計台の前あたりにはステージが組まれているのだ）だが，あまりお天気には恵まれないらしい．雨に濡れて風邪をひく学生が増えないように願いたいものだ．
ところで学祭といえば，甲山の場合は「毎年開催する」とは決まっておらず，年度当初の決められた期間に学生を対象として署名を集め，学生数の過半数に達したリストを提出して初めて「開催」と決まるのだそうだ．面白く興味深いルールである．他の大学ではどうなのだろう．阪大は署名活動はなかったが，大学当局との関係はなんとなく微妙な感じではあった．「体育文化週間」という秋休み期間（ちょうど今の時期だが）に学生が勝手にやってる行事，という位置づけだったろうか．
私は学祭のような統制されないわらわらとしたイベントに参加するのが苦手（より配慮的でない表現をすれば嫌い）なので，自分自身で大学1年と2年時に学部有志でやった「お化け屋敷」のスタッフとして参加した以外は，一度京大の学祭に行ったことがあるきりで，ほとんど興味がない．なぜお化け屋敷をやったかというと，それは，金儲けができたからである（笑
早朝に一仕事してから遅寝を楽しむはびーを叩き起こしてコスコへ．われわれ的には普段よりちょっと出遅れて＝人並みに10時前に着いたらもうかなりの混雑だった．おそらく昼前以降はカオスだったろう．いつものように長期保存のきく食品を中心に，生鮮食料品（といってもすぐに冷凍庫直行）は鶏肉2キロパックのみ．服は今回はあまりよい出物がなかったので見送り，アディダスのマラソンシューズを購入．こんな消極的な購買行動でも巨大カートはそれなりにいっぱいになるのだった．
お昼は何にしようか，と考えながら今日は西方面に車を走らせ，思いつきで蛍池のネパール料理カトマンドゥへ．蛍池は大学1，2年の時に住んでいたところだが，駅は随分立派になった一方で周辺の相変わらずの猥雑ぶりが懐かしい．私には不幸にしてネパール料理とインド料理の区別はつかない（もちろんパキスタン料理とも区別できない）が，いずれもなんとなく怪しげな雰囲気を醸し出しているという意味では同じで，この街によく馴染んでいると思う．ネパール人（推定）さんたちに迎えられて席につき，900円のランチをオーダー．私は日替わりカレーでほうれん草とかぼちゃ，はびーはマトンカレーにした．それにスープとサラダ，ライスとナン，そして飲み物がつく．相変わらずなぜそこまで安いか理解できない安さである．食べログで「ナンが巨大」とあったので覚悟はしていたが，本当にすごい大きさだった．私が頼んだハーフでも行きつけの西宮北口「デリーキッチン」よりも一回り大きく，はびーが冷やかし半分で頼んだフルサイズだと皿からもテーブルからもはみ出る巨大サイズ．布団のように皿に載せられたナンをめくるとそこにもミニサイズのカレーが小鉢様のものに入っているというサービスぶりだった．二人して無言になり，必死で食べる．ちぎっては食べ，ちぎっては食べ．ナンはふわもちで美味しく，カレーも2種類あるしサラダもあるので食べ飽きることはなかったが，いかんせん消費に時間がかかるのでカレーの方が冷えてしまうのがやや難点だった．30分以上かけてようやく完食．
たっぷりナンが詰まったお腹を抱えて帰宅し，これは腹ごなしが必須でしょう，と午後はウォーキングへ．自宅から市役所方面に向かい，元茨木川緑地から安威川河川敷を延々と歩いた．河川敷を歩いていると，普段道路を歩いているのとは風景が違って，川の流れと堤防と山と時折の橋しか見えないので，どこをどのくらい歩いているのかがよく分からなくなる．あれこれとおしゃべりしながら歩いていたら気付けば時間は2時間を，距離は10キロを大きく超えていた．中央環状線にぶつかった辺りで地上に上がり，摂津駅からモノレールに乗って帰宅．朝コスコで買ったシューズを早速履いてみたのだが，軽いしフィット感も良くて気に入った．
そこそこ運動したにも関わらずやはりちっともお腹はすかず，晩ご飯はほぼ抜き．
今日も大学祭で休講．といっても金曜日はそもそも何もない日である．外は普段より人が多く賑やかで，建物の中は対照的に人の姿がまばらだった．私はといえば控えめに言ってこうしたイベントが苦手なので，準備が始まる前に研究室に入って，帰るまで一歩も建物の外に出なかった．
中芝に特設されたステージで展開されているのだろうイベントの重低音が鳴り響く中，着々とお仕事．JST新技術説明会の資料スライドは午前中に完成したのでCAPSのコアメンバに投げて意見を請い，昼からは知識共有WSの発表論文を書いたり，それに煮詰まったらNKYCさんからご依頼のあった書籍のコラム原稿（12月末日〆切）を書いたり．コラムは2000字とごく短いものでもあり，ふっと書き出しを思いついたのでサクサク書けた．多分明日で脱稿できそうだ．
起床→仕事→車を1年点検に出しにディーラーへ→1週間分の買物→ライフプランナー氏に来てもらって資産運用に関する手続き→昼ご飯→仕事→車を受け取りにディーラーへ→焼肉（美味肉家 能勢）
生暖かい雨の中，やや忙しく動き回った1日だった．車を点検に預けると移動手段が自らの足だけになるが，ディーラーの最寄り駅はモノレール山田駅，といっても1キロ以上の距離があり，我が家からモノレール南茨木駅も同じくらいあるので，そこそこいい運動になった．点検は特に異常なしで，かかった費用はウォッシャー液補充の735円のみだった．こないだ墓場で擦った部分はディーラーで修理すると18〜20万くらいかかりますねえ，とのこと．加入している自動車保険ではカバーできないことが分かったので，どこでどうするかは未だ検討中だが，はびーから
「絶対に直すように」
と厳命を受けているのだった(´・ω・`)
ライフプランナー氏からは私の誕生日を機会に久しぶりに連絡があり，先週「いくつかのご提案」を持ってやってきたのだったが，我が家の財務大臣による検討の結果，そのうち1つが採用されることになった（なお，リンク先の会社で契約したわけではない）．いわゆる「駆け込み需要」なのですぐに契約に至ったというわけ．ライフプランナー氏による，マメではないが（もちろん，その方が好ましいのだ）的確なる営業活動の成果であろう．
無事に点検終了した320君を受け取り，雨の週末の夕方という渋滞要素満貫な中を華麗に抜け道スルーして美味肉家 能勢へ．量は少なめにゆっくりおいしくいただいた．この店のレビューには「店員の愛想が悪すぎる」というコメントが目立つのだが，確かに愛想が良いとは言えないし跪いてオーダーを取ったりもしないが，不快にさせられるような対応を受けたことは一度もない．たかだか，というか，所詮，というか，ともかく普通の焼肉屋である．神様根性が強い客が多すぎはしないだろうか．
11/3にウォーキングをした際に「お正月と来年の夏休みはどこに行こうねえ」という話になったのだが，帰ったその日＋本日両方とも計画が決まった．
まずはお正月（といっても喪中だが）．最初は箱根がいいなと思ったのだが，年明けすぐはとてもじゃないけど（駅伝があるので）取れないし，年末も目当てのハイアットをはじめとしてどこも値段的に折り合わないので断念．信州や軽井沢やその他関東周辺リゾート地域を探索するもなかなかこれというところがなく，この際東京か？という案も浮上したのだが，結局，東京は東京でも伊豆大島に行ってみることにした．どんなところか全然知らないけどともかく自然が豊からしい，というだけで決めるという相変わらずの適当ぶりである．ダイビングのメッカでもあるようだが，多分今回はトレッキングが主体となると思われる．ホテルの予約フォームに「必ず往復の航空/船便を予約してからその旨ご連絡ください」とある．どうやら気まぐれには行けない可能性のあるところらしい．船を運行している会社のサイトに行くと確かにそうで，予約開始数日にして既に行きの竹芝航路は満席ｗ 仕方ないので熱海発の便を取った．熱海の方が随分近い東京都で伊豆半島，って素人には理解が難しい．
そして夏休み．こちらは二度目のアイスランドにしようという方向を今年の夏の旅行から戻った直後になんとなく決めていたのだが，最近は欧州航路の予約がとても厳しくなっているという情報が寄せられたため，一番休める確度の高そうな日程で早いうちに席を確保するだけしておくことになった．2冊のガイドブックを与えられた私は，どこに行きたいかを挙げるように指示され，1時間ほど両者を眺めた挙げ句に，
欧州最西端とグリーンランド
と申告．すると，はびーが旅行代理店のプランナーよろしく航空会社等のウェブサイトを探索しまくり，1時間ほどのうちに2つのプランを練り上げてくれた．そのまんま「アイスランド・グリーンランドの秘境を巡る旅」とでも題して旅行パンフレットに載せてもいいくらいのレベルのもので，相変わらずすごい才能である．私はプランも立てられないし車も運転できないので，道中面白い話をしてその場を盛り上げるくらいが関の山だ．何とか無事休暇も取れて実現させることができるように祈りたい．
1日目 KIX21:40(ITM 20:15) -HND22:45 2日目 HND 6:25 - 10:40 LHR 13:00 - KEF 15:00 Reykjavk 3日目 Reykjavk (自動車) - Bardalur 4日目 Bardalur (自動車)- Isafjordur 5日目 Isafjordur - (自動車)西の端 - Isafjordur 6日目 Isafjordur - (自動車)フェリー 7日目 Hellnar - (自動車) - Reykjavk 8日目 Reykjavk - Greenland(日帰りツアー) - Reykjavk 9日目 Reykjavk周辺散策 KEF 16:10 - LHR 20:10 10日目 LHR 9:10 - 11日目 4:55 HND 6:45(6:30) - 8:05 KIX(7:45 ITM)
もし該当する日程で休暇が取れなければ，全部キャンセルして（キャンセル料はほとんどかからない）日程を変えてハワイに行くらしい．まあ，それもいいね！
9月に疑惑の第一報が出て本邦業界内でも大変話題になったオランダの社会心理学者D.A.Stapelのデータ捏造事件について，直近の勤務先だったTilburg Univ.の調査委員会による中間報告書が出され，スラド等各種日本語メディアでも採り上げられた．
Stapel氏は偏見やステレオタイプに関する社会的認知研究では大変有名な人物で，ごく最近にScience誌にも論文が掲載されるなどいわゆるスター的な社会心理学者だったので，事件のインパクトはとても大きい．報告書を読むに，ここ10年ばかりの彼（ら）の研究成果はほとんどすべてがStapel氏自身によって捏造されたデータによるものだったらしい．どうしてそれが可能で，どうしてこんなに長きにわたりそれが露見しなかったのかについて，報告書にはかなり具体的な「やり口」が書いてある．Final Reportが出る頃には「この論文は捏造」という白黒判定がはっきりリストになって提出されるようだが，中間報告書のニュアンスからして＋第2種の過誤を犯さないためには全黒になるのはほぼ間違いのないところではないだろうか．
報告書によれば，彼の指導した若者たちは，仮説やそれを検証するための実験計画は立てる一方で，「君たちは分析や論文執筆に時間を使いたまえ」と言われてそのとおりにし，どこかで取ってきた（とStapel氏が言う）データを渡されていたらしい．そのデータがあまりにも「出来杉」だというのが長年にわたって溜まりに溜まって今回のように事が荒立てられたということのようだ．確かに，仮説や実験計画を立てた本人が直接データ収集に従事することは実験者効果によるデータの歪みをもたらす可能性はあるから，よい二重盲検法だと言われたらそうかもしれない．もちろんそれは，ちゃんとデータを収集していれば，の話であるが．
院ゼミで最新のジャーナル掲載論文を読んでいても，ほんまにそんな結果になるんか！いくら人間が社会的動物だといってもそこまで微細な状況の操作にラディカルに反応するもんかよ！と眉に唾を付けたくなるものがたくさんある昨今，これは氷山の一角なのではという危惧を覚えつつ，そんなことにかかずりあってないで自分がちゃんと誠実かつ創造的なアイディアにもとづく研究をしろよ，と思いつつ．中間報告書末尾にあったStapelのコメントはとても痛い．
I have made mistakes, but I was and remain sincerely committed to the field of social psychology, young researchers, and other colleagues.
先週末までは生温い日が続いていたが，節季を見計らったかのように一段と冷え込んできた．ここ数年，冬になると腰の調子は頻繁に悪化する一方で風邪をひくことはあまりない私だが，今年はどちらも「あまりなし」でありたいものだ．
今日は昨日までのコラム原稿に引き続いてH社の心理学事典M社のH心理学事典の項目執筆に取り組んだ．あともう一つ片付いていないものも含めて，いずれも原稿用紙換算で5〜10枚程度のごく短いものなので，書き始めることができさえすれば早い．夕方までに書き上げたので，しばらく寝かせることにする．コラムの原稿は2日ほど寝かせただけでざっと見直し，編集者と編者に送ったのだが，幸いにも割とお気に召す内容に仕上がっていたようだった．安堵．
明日はとてもじゃないがほとんど原稿執筆時間が取れないが，もう一つを今週中に片付ければ，これまでに引き受けた年度末までの小さな仕事はすべて捌ける．もちろん，あくまでも，小さなものは，だが．
帰宅後，赤穂に日帰り出張していたO君からうれしいお土産をいただいた．坂越の牡蠣である．数日前に今年の漁が始まったばかりとのことでまだ小粒だが，やはりここの牡蠣はしっかり美味しい．もう少しメジャーな日生産のものももちろん良いのだがが，やはり元・地元の味である．はしりの時期で売っている店を見つけるのに苦労したそうだ．どうもありがとう！
あと1パック残っているので，木曜日に再びおいしく頂戴する予定．もう少し冬が深まったら，牡蠣とみかんを狙ってドライブに行きたいな…
会議→3年ゼミ→1年統計→3年統計→会議→実験協力者慰労会
われわれのような商売の人間にとって，ゆっくり座ってじっくりものごとを考える暇を与えられず，単に席を温める余裕すらなくあちこちを動き回らなければならない一日というのは，本当に苦痛だ．しかしそんな日もあるからメリハリがつくのかもしれないし，お仕事というのは何でも好き勝手できるものではないので，仕方がない．一つ一つの仕事が嫌だというわけではないので，なおさらである．基礎統計の授業では正規分布を説明するのにTLで数日前に見たこのネタを使った．
ほぼ1ヶ月にわたってCAPSで実施してきた4名集団によるコミュニケーション実験が予定数を取り終えてめでたく終了．といっても頑張ったのはPDのAyaさんとB4卒論生で，私は後方支援のみ．集団実験を実施するのは単独実験とは違って本当に大変で，特に気まぐれな学生相手だとその苦労は倍加する．一人でもドタキャンしたら実験が成り立たなくなるので，何度も何度もリマインダをし，あなたが来ないと本当に大変なことになるんだから後生だから来て頂戴的お願いをしまくり，それでも数回ドタキャンが出て，そのたびにかれらは代理で来れる人材を探すのに真っ青な顔をして走り回っていた．しかしその甲斐あってスケジュール通りにデータが集まり，これほど素晴らしいことはない．
4名のうち1名が専門家という位置づけで，これまた探すのに大変に大変に苦労したのだが，ひょんなことからご紹介いただいた某日本で一番難しいとされる資格試験に合格したばかりのNさんという方にご協力を願うことができた．実験終了にあたり是非慰労させていただきたいということで，Nさんご本人思い出の店という門戸厄神の焼き鳥屋にて会を開催．会議を終えた（正確に言うと中座した）後に息せき切ってタクシーで駆けつけた．
Nさんは，私の知る2人目の「某日本で一番難しいとされる資格試験に合格した人」なのだが，2人ともステレオタイプ的イメージとは違っていて，大変さばけた気のいい方だった．そのことでPDやB4もとても助けられたようだ．これがドタキャンが出るたびに明らかにムッとして「俺様が来ているのに何様！」的な対応をする方だったらぴりぴりしてもっと心労が重なったことだろう．
「実験に参加してくださって一番印象に残ったことはなんですか？」
とお尋ねしたら
「そりゃあもう…こんなに短期間に大量の女子としゃべったことっすね！」
と即答なさったのには，大笑いした．楽しんでくださったのなら何よりである．あとはよいデータをちゃんと論文にする，だけだ．
〆切は12/20．そろそろ出遅れていた面々のデータ収集も終わりに近づきつつあり，15名全員が分析と執筆だけに取りかかれるようになった．去年より若干進度が遅い．就職活動の状況も影響するが，指導学生数の人数の問題も大きい．12→15と来て来年は18なので，これまで以上にうまく進める工夫が必要そうだ．
午後のリサミでは2名のデータの検討会．会話時の視線捕捉実験と政治意識に関する調査だが，いずれも今後論文にする可能性があるので，ぬかりのないようにしっかりと．
そして来年度3年生のゼミ分属希望調査（第1次）が今日〆切で，手元に三浦ゼミを志望する学生たちの理由書が届けられた．来年度は15名が基準値なので，上記状況が悪化することはなさそうで，少しほっとする．
西暦年までゾロ目の日ということで，特に意味もないのに＋震災8ヶ月だというのに，なんとなく賑やかにめでたい雰囲気の一日．学生たちは毎年「ポッキー・プリッツの日」だというので盛り上がっていて，卒論指導で来室した学生の一人が「塩ポッキー」をくれた．フランやトッポの立場がないな．そんな週末の一日は，卒論指導×2を挟んで原稿執筆に明け暮れた．
そういえば「巨人のGMが文部科学省で記者会見」は，予告には驚き，実際には呆れた．コンプライアンスに関する重大事実だというから，てっきり「あのとき脇谷は落球していた」とか「原監督が菅野に長年お年玉名義で現金を供与していた」といった告白かと思ったら，ただ単にナベツネをdisっただけだったのでがっかり．一方で，文部科学省は，あんな記者会見でも（つまり内容を精査せずに）会場を貸すのだ，ということが分かったのは収穫だった．
22時前まで頑張って，原稿はほぼ完成．これで来週からは心置きなく新しいことが始められそうだ．
な気がする．いつものように朝方は書斎で仕事をしようとしたが，Windowsが更新データを延々ダウンロードしていたようで，動作が固まりっぱなしで大迷惑だった．せめて「今ダウンロード中」というダイアログくらいは出してくれたらよいのに，と思う．週末しか立ち上げない（普段はリビングのノートPCか，それも立ち上げずにiPadで済ませてしまう用事が多い）から仕方がないかもしれないが…
9時過ぎに買い物に出かけて，その足で車の修理工場へ行き，修理代を見積もってもらった．ディーラーが提示した概算価格よりは安いが，部品代と工賃の合計金額は擦った当日にもらったギャラの倍以上しそうであるorz
昼からは久しぶりに神戸方面に足を向けて，健民ダイニング→ユニクロハーバーランド店→IKEAポートアイランド店と巡った後に研究室に荷物を置きに行って，ついでにキャンパス内をぐるっと一周散歩して帰宅．
夕焼けがとてもきれいだった．
大阪府知事選挙は27日投開票．前日からの泊まりがけ出張で不在なので，期日前投票に行ってきた．実は6人も立候補していたことを，そしてその中に「社会心理学博士」様の名前があるのをその場で知って，思わず笑ってしまうのをおさえきれなかった．しかも「坂」じゃなく「阪」だし．芸が細かい．
週末ウォーキングは，追手門学院大学の最寄りだとカーナビが主張する墓場（の正規の駐車場に車を停めた）からスタートして，70年代の新興住宅地茨木サニータウン＋山手台を経由して，ごく最近に付け替えられた府道茨木亀岡線を越えて，安威川上流の農村集落の点在する地域までのコース，9キロほど．この集落は安威川ダム建設（果たして当該事業自体がどうなるのかよく分からないが…）に伴い水没することになっており，立ち退きが進んでいる．山村には似つかわしくない大きな道路の西側には，これまた不自然なまでに立派な家々が建ち並んでいた．なぜだろうとしばらく考えて思い当たった．これは立ち退きを強いられた人たちの家なのだな，と．ダムに沈むだろう地域のすぐそばからかなり山の上の方まで造成が進んでいた．この辺りには新名神高速道路も走り，インターチェンジも敷設される予定なので，また今後もどんどんと山が切り開かれ，風景は変わって行くのだろう．
数週間にわたって短めの原稿を書き続ける生活が続いていたので，急にそれらがなくなった今，すぐに次の目標に切り替えるのが難しい気がしたので，今日と明日は頭脳労働は休養日とすることにした．もちろん授業や卒論指導や事務仕事はやるが，研究について「何かに着手する前に，じんわり次を考える」ための時間とする，という意味だ．日々目の前の仕事に追われているばかりでは，それを片付けたときの即物的満足感は得られるが，長期的な視点に立てば，アイディアを温める時間がないのはよろしくない．
というわけで，今朝は寝たいだけ寝てみた．なんと起きたのは8時！（普段は5時前，休日でも6時過ぎ） よっぽど飲んだ後の休日でもない限り，こんなことはついぞない．睡眠時間は9時間で，これ以上寝るとかえってしんどくなるギリギリラインだ．解消しなければならないほどの睡眠不足状態ではないが，なんとなくうれしい．大学には10時頃に重役出勤した．帰りも院ゼミ終了後ほどなく，16時台前半でさっさと帰宅．それでも電車に乗っているうちに真っ暗になった．冬だねえ．
明日ものびのびしようっと☆
今日も引き続き弛緩日．ただし，4年ゼミや3年研究実習など「よそゆき」（教員モード）を強調しなければならない授業がある日なので，昨日と同様にはいかない．それに，連日8時まで寝ても体に毒な気もするので，6時半過ぎに起きた．大学に着いたら8時過ぎ．まだこれでもF号館心理研究室フロアでは事務の方も含めて一番乗りであった．
4年生は今週金曜日に卒論第1稿〆切日を設定し，各自おそらく初めての経験にあたふたしている．やらなくてもいい社会的（下方）比較をしながら「どこまで書けていれば（最低限）よいのか」を追求しているふしがあるので「もうこのままで事務に出せる，というものが書ければ「よい」のだ」と通達しておいた．とはいえ彼らにも意欲がないわけではなく，それなりに必死であり，いい感じに荒れてきている．この荒れをうまく乗り越えることができれば，本人が達成感を得つつ，内容も伴った卒業論文になると思うのだが，さてどうなることやら．ともあれ今年は，明らかに「卒論は自らの生活において二の次」的な行動を取る学生がいないだけ，こちらとしては指導しやすい．頑張る子は先生応援するよ，うん．
2日ゆっくり寝たら，今朝はうっかり目覚ましを鳴らしてしまった．鳴らす前に止めるためにあるのが目覚まし時計なのに，なんたる失態．たった2日でこのざまである．まあいいけど．
今日はゼミ→基礎統計→統計IV→会議×2の多忙日．しかしゼミ前に論文が1本半読めたし，基礎統計では標準正規分布表の見方を比較的うまく教えることができた．これで会議が早く終わってくれたら文句はなかったのだが，不運にも「時間をかける」ことに意義のある案件が含まれていたために，そううまくいかなかった．2つめが終わったのが20時前．これから飲みに行く人々はかまわないのかもしれないけどさあ…
基礎統計では思わぬ失敗を学生に指摘された．手作りしていた標準正規分布表が，Excelの関数をコピペするのをミスって一部の数値が間違っていたのだ．手作りしたのが2年前なので，その間私も含めて誰も気がつかなかったことになる．演習問題などで行き当たらない部分だったから，というのもあるが，確認ミスであることは間違いない．指摘してくれた学生，ありがとう．あなたには「満点をあげたい気持ち」を差し上げます．
毎年恒例ボジョレー・ヌーボーの解禁日．普段ワインを飲むときは判で押したように
お〜も〜い赤ワインをください！
としかリクエストしない私にとって，こんなの酒ちゃう，ジュースやで，と言いたいところではあるが，祭りは好きなのでしっかり当日に味わう（逆に言うと当日およびその後数日以外でお目にかかることはない）のだった．あちらも割り切った商売をなさっているので，安上がりなのもよい．今年も2本で3000円台という安価なものが19時過ぎに宅配便にて到着．早速おつまみを2品作って乾杯となった．
おつまみは，きのこのオイスターソース炒めと大根とベーコンの蒸し焼きの2品．ワインは「そういえばワイン色って本来こういう色だった気もする」と思い出させてくれるような鮮やかで明るい色だった．ジュースのようにごくごく，ではなく，控えめにグラスに2杯いただきました．
12/20の本〆切に向けて，ゼミの卒論生15名に一斉招集をかけ，第1稿を持参させた上での個人面談を実施した．何せ人数が多い（来年は18名だ…おそろしい）ので，ちぎっては投げ，ちぎっては投げの大乱取り大会である．今年は頼もしい助っ人としてPDのayaさんにも参加してもらった．
火曜日にくじ引きで順番を決め，9時から17時まで30分刻み（途中に昼休みを1時間かろうじて確保）でスケジューリング．事前にDropBoxにファイルをアップロード＋印刷したものを1部持参させて，私はファイルを参照しながら添削，たまに説教．その間にayaさんは印刷したものを読んで，私の面談終了後にアドバイス，という流れ作業にした．もちろん1人をayaさん送りにすれば次の学生が私の目の前に登場するので，休みはない．二人分の指導を受けたら，直前に思いつきで作成した「卒論進行表」に自己評価を記入させて，終了．
明らかに徹夜明けでこちらの言うことを聴いてるんだか聴いてないんだか分からないようなうつろな目をした学生もいるし，ある程度余裕のある学生もいるし，提出された内容は「どんだけがんばらんかったら気が済むねん」と言いたくなるようなものなのに妙に悠然とした態度の学生もいるし，「ぼこぼこに叩かれるつもりで来ました」という一方でこちらのアドバイスにはいちいち「いやそれはこういう事情で」と抗弁する学生もいるし…まあ，いろいろである．とはいえ，ほとんどの学生はそれなりに今日に合わせて頑張ってきたようだった．
最後の方になると果たして誰に何を言ったんだかわかんなくなるような状態だったが，なんとか18時頃にすべて終了．お疲れ様でした．ayaさん，ありがとう！
10月7日に亡くなった祖母の四十九日法要を近所のお寺さんで執り行った．朝からひどい雨で，お供えやら何やら運んだりするのは大変だったし，参列してくれた親族の皆さんには申し訳ないことだったが，「こんないい天気に喪服かよ〜」とは思わずに済んだ（これが晴れていれば「こんないい日におばあちゃんのために集まれるってよかったね〜」となる）．
法要はお寺の「ホール」にて1時間程度．参列者は椅子に座っていられるのでお焼香の時に「あ，あしがしびれて…」ということにならなくてよかった．祭壇の横にホワイトボードが置いてあって「何でこんなところに…」と思ったのだが，おつとめを終えたぼんさんが法話をするために用いるのだった．母方の法事をするお寺さんは愛想なしで，般若心経やら何やら唱えたらすぐにお墓に行って終わり，なのだが，ここのお寺さんはお通夜にせよ葬式にせよ法事にせよ，何がしかしゃべるのが好きらしい．こちらもその方がちょっと面白みがあるが，その代わり話す内容が気になる．支離滅裂とまではいかないが，いかんせん緻密な論理ではお話にならずにとにかく「お念仏を唱えましょう」に持ち込まれるので，だいぶモヤモヤした．よほど「質問です．先ほどお話しになったことは心理学で言うと一般的信頼の形成に関するお話だと思いますが，先祖を大事にすることで現世における一般的信頼が築かれるというのは一体どういう理屈でそうなるのでしょうか．もう少し詳しくお聞かせいただけませんか」と言いたかったが，ガマンした．
昼前に法要は終わり，千里中央に移動して千里阪急ホテル「つる家」にておときの昼食．千里中央もこのホテルも，hus時代はしょっちゅう来ていたが最近はとんとご無沙汰だ．しかし，前世紀の遺物のごとく，何一つ変わっていなかった．それでもお食事は割といい感じだったので，まずまず満足．はびーには老人たちが食べ残したものがどんどんと追加で供されたらしく，「も，もう夕飯はいらん…」状態にさせられていた．
後は納骨が終われば一区切り，かな．
昨日のような大雨ではないが，いいのか悪いのかよく分からない天気の一日．自宅から見ると今にも雨が降りそうな雲行きなのにほんの数分歩いた駅周辺はすっきり青空だったり．東京はもっとダイナミックな空だったようだが，こちらも変わりやすいという意味では同様だった．
一日ずれた週末の買い物を済ませた後，梅田に出て阪急メンズ館にてはびーのスーツをオーダー．といってもパターンオーダーだ．数日前に20％オフのダイレクトメールが来たからそれを握りしめて出かけたのだが，同様の客が多いのか結構混み合っていてしばらく待たされた．前回の伝票を出してきてもらったら，2年前の同時期の日曜日との記録が残されていた．この時も今回とまったく同じように「ダイレクトメール来た→そういや最近スーツ作ってないやん→ほないこか」となったものらしい．しかもはびーがいつものように即断即決でさっさと選んだ生地の値段はこれまた前とまったく同価格だった．体型はほとんど変わっていないが一応採寸を，と体にメジャーを当てられたはびー，
「中性脂肪が…1センチくらい増えました…か？」
と最近気にしていることをズバリと言い当てられてちょっと動揺．さすがにしょっちゅう人の体を手ずから測っている人の感性は鋭い．とはいえ仕立てるサイズは流行に対応して袖丈を5ミリだけ短くした以外はまったく同じと相成った．
昨夜から冷え込みが厳しい．天気の回復ぶりもいまいちな分，朝焼けは美しかった．今日の日の出（神戸）が6:38で，大学に着くのとほぼ同時刻である．これからまだ徐々に遅くなっていき，冬至を過ぎてまだまだ遅くなり，一番遅いのが1月中旬で，あと30分くらいは遅くなる．
今週は水曜日が祝日かつ授業のない日（いくら何でも勤労感謝の日に授業をやらされるようになったら抗議したい）なので，かなり気分が楽である．そしてその日はパリ管弦楽団のコンサートだ．楽しみ！
腰が痛い＋喉がちょっとひりひり＋背中のニキビが潰れて痛い，という夜だった．とても寒かったから，体の各所もびっくりしたのであろう．風邪薬を飲んで，靴下履いて寝た．明日はコルセットを着用すべし．
10月に収集した社会人対象のオンラインモニタ調査データを分析するため，まずはクリーニング作業を始めた．手始めに，いくつかある「その他」選択肢に関する自由記述内容を見て，「「その他」ではない」ものは本来の選択肢にコーディングしなおしたり，荒唐無稽なものは削除したりという地道な作業．こうしたイレギュラーな回答は，全体から見るとごくわずかな量しかないが，無視できるものではない．すべての協力者がちゃんと設問読んで理解してくれたらこうはならないのになあ，と思ったりもするが，自分が回答する立場になれば，ごちゃごちゃ書いてあることいちいち読んでられないよ，という気持ちも，分からなくはない．
設問の1つに，
あなたは原発事故や放射能被害について家族の誰と一番よく話しますか
いうものがあるのだが，「その他」を選択した自由記述の中に，
猫
というのがあった．どう処理しようかしばらく逡巡したが，「家族と話をしない」に再コーディングした．
クリーニング作業が終わり次第データクッキングに移行するつもりだが，果たしていつのことになるであろうか．
研究実習を終えて，卒論生のデータ分析結果をちょっとだけ確認してすぐ帰ろう，と思っていたのだが，ログの中に不穏なWarningを発見．あれ？何でこんなの出るんだ？またまたぁ，単に変数さえ書き換えればいいようなシンタックス書き間違えやがって…と思いながら見直したら，ドツボにはまった．そんな簡単なことじゃなく，根本的に分析そのものに，というよりも質問紙での問い方そのものの違いが影響していることが分かるまでに2時間ほど費やしてしまった．問い方そのものの違い，ということは私が適当に思いつきで，
「こっちはこう尋ねてみたら？」
と言ったことが影響しているわけで，何とかしないわけにもいくまい．調査設計や実験実施の際はちゃんと分析をどうするかを念頭に置いてやらなきゃいけないよ，というのは研究の鉄則なのだが，私自身もたまに（いや，しょっちゅう？）この類の過誤をやらかしてしまう．分析できないことはないはずだが，さて，どうすればよいのか… ノンパラって苦手なんだよ(>_<;)
勤労感謝の日．世の中には「自分が勤労できることに感謝する」と強がりをおっしゃって普段通り働いておられる方もあったようだが，私はお休み．なんたって亡祖母の四十九日すらずらせる勢いで一家揃って随分前から楽しみにしていたコンサートがある日なのだ．パーヴォ・ヤルヴィ×パリ管弦楽団＠京都コンサートホール．
まだ少々喉はいがらっぽいが腰の具合はまあまあ回復して，総じて特段体調が悪くないので，京都駅からホールのある北山まで歩くことにした．全長8キロ．地下鉄の駅にして8駅．どんだけ駅間短いんだか．東本願寺前で地上に上がり，烏丸通りをずんずん直進．御所にぶち当たって御苑内に入り，河原町通りに抜けて葵橋で鴨川を渡って後はまっすぐ北へ．京都の道は単純で良い．途中四条〜三条付近で雨が少し降り始め，傘をさしてまで歩きたくはないのだが…と心配したものの，御所あたりで再び空が明るくなって，なんとか目的地まで行き着けた．所要1時間半弱．
ヤルヴィの振る演奏会を聴くのは3年連続3回目．一昨年はシンシナティ響，昨年はドイツカンマーフィル，そして今年はパリ管．彼はそれらすべてのシェフを務めていて，世界中を文字通り飛び回っているらしい．今日は，
メシアン：忘れられた捧げ物 ラヴェル：ピアノ協奏曲ト長調(Pn: ダヴィット・フレイ） ベルリオーズ：幻想交響曲
というオール・フランス・プログラム．まあパリ管ですから．そしてまあヤルヴィですから，どの曲もテンポと強弱のコントラストの激しい，斬新な演奏ぶりで，以前の日記に書いているように「流麗かつタメの効いている」ことにかけては当代でナンバーワンだと思われる．だから，楽しいことは楽しいが，ちょっとやりすぎじゃねぇの？という気までしてくるほどの内容だった．ソリストのいるP協が一番大人しかった気がする．特に幻想交響曲は（普段聞き慣れていたのがアバド×ウィーンフィルによるいかにも教科書的な演奏だというのもあるのだろうが）第1楽章から「なんじゃこりゃ」という演奏ぶりで，終楽章のクライマックスに至ってはもうあははと笑って「どないせいっちゅうねん」と言いたくなるような突っ走り方だった．幻想交響曲はそもそもがかなり突き抜けたユニークさを持っているだけに，それをさらにユニークにされるとちょっとくどいかもしれない，とも思ったほどだった．それにしても，これでもかこれでもかと言わんばかりの弱音の鳴らさせ方は相変わらず一級品だった．
アンコールはパリ管らしく「ファランドール」とヤルヴィらしく「悲しきワルツ」の2曲．最近1曲でおしまいのことが多いので珍しかった．ホール内のフレンチ「ラ・ミューズ」にて感想戦を兼ねて夕食を楽しんでから帰宅．
ところで京都コンサートホールは建物内の動線がよろしくない．お手洗いの行列も非効率だし，帰りも他のホールと比べて押し合いへし合い率が高かった．大ホール内はこぢんまりとしているがいい雰囲気なので，ちょっと残念だ．
今年の海外オケ来日シーズンもそろそろ終わり．今日のプログラムによれば来年はブロ爺がバンベルク交響楽団を率いて来日予定らしい．80代も後半になるというのにお元気で何よりだ．これまた3年連続3回目のブロ爺詣を敢行しなくてはなるまい．
昨夜は雨も上がり星空の中を帰宅したというのに，その後急に大粒の雨が数分間だけ降り（雷も一発どすんと来たらしい），朝になると随分と強い北風．寒さがいや増す今日この頃である．週の中日にお休みが入ると，なんとなく木金の「残り感」が増大して，それらをやり過ごすのがめんどくさいような気がしてくる．
午前中1名，午後はPDと一緒に2名の卒論の面倒を見る．よく考えてみると書こうが書くまいがそれは彼らが決めれば良いことなのかもしれないのだが，どうしても書くように仕向けてしまい，よほど注意を払わないと誰が書いてるんだか分からなくなってくるので，常に頃合いが難しい．
午前中に卒論面談を1つ終わらせ，12時前に早々に研究室を出て大阪地裁へ．今日は生まれて初めて裁判を傍聴するのだ．随分前から北尾トロ氏の著作を読んだり，知り合いが行ってきたという経験談を聞いたりしていて，興味は持っていたのだが，なかなか実際に機会がなかった．それは，裁判所など幸いというか何というかこれまで縁がなかったので，なんとなく近寄りがたかったという要因が大きかったが，今回は評議コミュニケーション実験で専門家を演じてくれた司法修習生Nさんが一緒に来てくれるというので，ほいほいと参加した次第．淀屋橋まで出て歩く予定だったが，20分ほど早着できたので大阪駅から歩いた．新地のど真ん中を抜けて15分ちょっとだったろうか．
「人気のある」裁判は傍聴券配布→抽選だが，普段は自由に誰でも好きなものを傍聴できるしくみになっているようで，1Fフロアに「今日の裁判」スケジュールのファイルが置いてあるのをぱらぱらとめくって，じゃあこれ行こ，あれ行こ，と決めて移動するしくみのようだった．そのファイルを丹念にチェックしている人たちは大体似た雰囲気．若干カジュアル，若干おっさん，若干セカンドバッグ率高し，みたいな．おそらくいわゆる傍聴マニアの方だと思われる．
1件目は「公文書偽造→詐欺→強盗」という一見意味不明なコンボの控訴審．控訴審なので高裁．裁判長1名と裁判官2名が前方に座っている．強盗というので勝手に極悪な面構えの被告を想像していたらまったくそれとはかけ離れた風体だったので驚いた．被告席の真後ろはおそらくその両親．控訴審の初審だからかほとんど犯罪内容の説明がなく，意味不明を解明することはできなかった．弁護人も罪状を争うのではなく情状酌量を，といった作戦のようだったので，特に盛り上がらなかった．検事も特にコメントなく，さっさと「じゃ2週間後に判決ね」ということで予定を調整して終了．多分雰囲気からして執行猶予がつくのではないだろうか．裁判長が判決日程を決めるとき「何月何日の何時からでいいですか？」と弁護人に確認しているのが意外だった．「あーその日ダメ」「じゃこっちは？」なんてこともあるのだろうか．
2件目は窃盗（万引き）で女性被告．地裁なので裁判長1人．小学校低学年くらいの女の子を連れた茶髪のおばさんが傍聴席の最前列に座っていたので，てっきり被告の娘か何かかと思っていたらその人が弁護人に呼ばれてひょいひょいと被告席に移動したのでびっくり．1件目は拘留中なので手錠腰縄で連行されてきたのだが，彼女は保釈中なので普通に一般人に混ざって玄関から入ってきたものらしい．内容は知り合いの男に頼まれて梅田のドラッグストアで万引きの幇助…をしているつもりが男が万引きしたものを自分のバッグに突っ込まれ，男には逃げられ自分は捕まり，というドジを踏んだらしい．しかも同様の窃盗やら無免許運転やらの前科があり，罰金刑を受けた経験もあるということで，典型的に「ダメ」な感じが満点．証人として出廷した弟も「子供のためにも姉を更生させるべく協力する」と口では言うが，検察や裁判長から「具体的にどのように」と問われると具体的には答えられないというダメっぷり．質疑も全般的に支離滅裂だし，やってることも支離滅裂だし，ああ，これはあかんな，今度は実刑決まりやな，という雰囲気が満点だった．特筆すべきは裁判長の態度で，後半開始直後から機嫌が悪いというか怒ってるというか，ともかくすごい目つきで被告を睨み，体は斜めに傾けて「何だよお前」という雰囲気丸出し．いつもこの人はこういうキャラなのか，それともあまりにダメな被告に切れているのか，興味を引かれた．おそらく情状酌量を期待して連れてきたのではないかと思われる娘についても「なんで連れてきたの．裁判見せてどうすんの」という冷たい一言でばっさり切り捨てていた．いや，私もそう思ったよ．
3件目と4件目は裁判員裁判．裁判員6名と裁判官3名がずらりと前方に座る光景はなかなか壮観．当然部屋もかなり広く，左右の壁には大きなテレビモニタが備え付けられていた．ただしどちらも判決言い渡しの日だったので，具体的な審議を傍聴することはできなかった．
3件目は生涯と強盗傷人と公務執行妨害（この事件）．拳銃を奪われそうになって暴行を受けた警察官が全治2ヶ月の重傷，その前に首を絞められた女性（恋人）は2週間の怪我，だったそうだ，裁判員は全員とても若く，おそらく20代だろうと思われた．女性と男性は半々．判決は懲役10年だった．よく「極刑の場合は主文が後回し」と言うが，確かに今回は最初に判決を言ってから理由を述べていた．量刑の理由もごく簡潔に述べられるのみであっさり終了．
4件目は殺人．弁護人2名．自宅に再々泊まりに来て動こうとしない男性（うつ病患者）に出て行けと言ったのをきっかけに口論になり，あらかじめ護身用として用意していたナイフで心臓を一突きして殺してしまった，という事件だった．被告の男性に殺意はあったか，正当防衛に当たるか，というところが主な争点で，比較的詳しく根拠が述べられた上でいずれも否定され，懲役11年という判決だった．ナイフを一旦刺した後にもう一回ぐいっと押し込んだ（刃渡りよりも傷が2cm深かったとのこと）のがかなり強い殺意と認定されたようだった．こちらの裁判員は60絡みの男性や女性から20代とおぼしき女性までいろいろだった．最後に特に裁判員から被告へのメッセージ，ということで「ちゃんと更生して頂戴よ」的なことが裁判長から述べられて終了．
総じてどの裁判もテンポ良く進むので，あまり退屈しなかった．10分で終わるものもあれば3時間くらいかかるものもあるようなので，うまく事案やタイミングを選んで傍聴することが重要そうだ．一度行ってだいぶ慣れたので，また機会を見て行ってみたい/学生にも行ってみるよう勧奨したい思った．
仙台空港→閖上地区→石巻港→石巻ボランティア支援ベース「絆」→南三陸町志津川地区→仙台市
個人的には2回目の東日本大震災被災地視察のため週末は東北へ．今回は共同研究者のoritakoさんやhmorioさん，それにこばちや貴公子君，そしてはびーも同行しての7名によるツアーだった．前回同様アレンジ＋アテンドはニフティの田代光輝さん．震災以来週末はほとんど休みなく現地入りして情報支援を中心とするさまざまなサポートを実践しておられる方だ．ガイドや地元支援団体の方々からの情報収集のコネクションはもちろんのこと，ドライバーも務めてくださり，何から何まで至れりつくせりのお世話になった．
その後，前回（9月初旬）の被災地視察では，台風接近中の天候不良で足を踏み入れることができなかった宮城県北部の被災地を訪れることができた．なぜ足を踏み入れることができなかったかと言えば，地域全体が地盤沈下しているので，海岸線がかなり元の陸地に接近していて，雨が多く降ると道路もひどく冠水して走れる状態ではなくなってしまう，からだ．
石巻港は，日本製紙の大きな工場や，各種の水産加工場が港沿いに建ち並んでいたそうなのだが，当然そのすべてが機能停止しており，人の姿はほとんどない．その代わりに飛び交う鳥が多く目についた．海際まで歩いて行き，海面と地面を見比べると，明らかに前者が高い．これでは「元通り」など絵空事であろう．
南三陸町は，移動に予想以上に時間がかかったために日がほとんど暮れてからの訪問になったが，若い女性職員が必死で避難を呼びかけ，自身も津波に巻き込まれてしまったことでよく知られることになった防災対策庁舎（の，鉄筋の骨組みだけが残ったもの）を目にすることができた．10メートル以上の津波に襲われたという志津川地区周辺は，鉄筋の建物の一部が残るだけでやはり生気はほとんどなく，真っ暗である．しかし海際（大潮のためわれわれが訪問する30分前までは道路は水浸しだったそうだ）にバラック建ての商店大森屋商店があり，パンやインスタントラーメンなどの食料品や飲料，煙草などを売っていた．これこそ希望の光，と言うのはたやすいが，おそらくほとんど意地のようなものなのではないかと思った．
帰り道，防災対策庁舎の写真を撮ろうと途中で車を停め，建物（だったもの）の前で見上げると，降るような満天の星空があった．美しかった．
朝は，はびーと2人で仙石線で30分ほどの本塩釜へ．前回田代さんに案内していただいた塩釜港付近を歩いた．相変わらず道路の一部は冠水し，土嚢が積まれてはいたが，かなり復興の兆しも見えていて，港のそばにいくつか新しく家が建っていた．
9時過ぎにホテルに戻り，全員合流して前回も訪問させていただいた山元町へ．
まずは常磐線（現在は不通＋復旧の見込みも立っていない）沿いを山下駅付近から坂元駅付近まで移動し，周辺を見学．9月にはまだあった（報道によると10月にもあった）山下駅付近の民家の目の前に取り残されていた電気機関車が撤去されてなくなっていた以外は，特に大きな変化はないように見えた．
山下駅付近は津波の被害があったとはいえまだ残存していて住める家があり，いくらか生気が感じられる．そのためこの付近の住民の中には常磐線を現状のままで復旧させたいという意見が少なくないらしく，駅周辺にはそれを主張する手書きの看板がたくさん立てられている．前回よりさらにそれらの数は増殖していた．山下第二小学校も再訪．以前には立ち入らなかった校舎内2階部分などもほぼくまなく見て回ったが，実に立派なお金のかかった小学校で，中はまるでショッピングモールのように高い吹き抜け天井，しかも天井は総ガラスという豪華さだった．こんな小学校で教わりたかった，と思うくらい充実した設備があったようだ．しかし，もう誰も通うことはないのだろう（ちなみに，子供たちはほぼ全員が助かっている）．
しかし南に一駅行った坂元駅周辺はまったく状況を異にしている．こちらは津波の被害が山下よりずっとひどく，特に中浜地区は，下記のマップからストリートビューを見るとよく分かるが，それなりに多くの家が建ち並び，商店やスーパー，ショッピングセンターなどもあったところが，全く何もなくなってただの野原になっていた．建物はほとんどすべて土台だけを残して倒壊あるいは流出し，今はそれらはほとんど片付けられているから，遺跡，としか言いようのない状況になっているのだ．土台を見れば非常に大きく立派だったことが分かる家が，ただ一回の津波で跡形もなくなってしまうのだ，というのをまざまざと見せつけられる現場だった．
おいしい「はらこめし」の昼食の後，情報支援のお手伝いをするため山下中学校へ．こちらも山下第二小学校と同じくとても立派な建物（ただしコンクリート打ちっ放しのやや無機質な外観なので，パッと見た感じは収容所か少年院か，という気もしたのだが，中は人間的だった）．田代さん同様早期から山元町の支援に携わっている大妻女子大学の柴田邦臣さんから支援の現状について話を伺った後，PC教室にある30台ほどのノートパソコンに，アドビから支援を受けたPhotoShopをインストールする作業をした．大学教員たるもの，こういうのはお手のものである（笑 前回写真洗浄をお手伝いした思い出サルベージプロジェクトはいろいろと進化しており，写真のレタッチ作業などを地元の中学生が担当するという企画が進んでいるために，今回の作業が必要になったとのこと．「中学生たちは確かに被災者だが，気の毒がられ，物をもらうばかりではよくない．気持ちも力も有り余っているかれらが，自分たち自身で何かの役に立つという経験も必要だ」というお話が印象的だった．
夕刻，仙台空港まで送り届けていただいて解散．
実は土曜日の夜にビール飲みつつ話をしていたらどんどん声がかすれてきて，こいつはやばいなーと思っていたら日曜日はほとんど声が出ない状態で朝を迎えることになった．私が比較的ちゃんと風邪をひくと，かなりの確率で気管支炎になってこの状態に陥る．ああ，なるな〜と気がついたときはもう遅いので，甘んじてその状況を受入，文字通り「黙って」耐えるしかない．一日耐えて，なんとか人に聞き取ってられるレベルの音量が出るようになったが，ガラガラ声での一日．
昨夜21時から絶飲食（正直に告白すると早朝にのど飴を1個なめた）で9時から胃検診．12時間飲まず食わずはさすがにつらいが，今年は昨年ほどひどい空腹感を覚えずにすんだ．早めに会場に行けたので，一番乗りで検査してもらえたし．自分でぐるぐる回ったり，機械にぐるぐる回されたり．1ヶ月ほど続いた今年の健康チェック期間はこれにて終了．
朝日新聞名古屋本社管内夕刊に，日本社会心理学会の震災復興支援の取り組みについてご紹介いただいた記事が掲載された，らしい．9月のシンポに取材に来て下さった記者さんからのメイルで知ったが，地方面掲載ゆえ現物は確認できておらず，掲載紙送付待ちの状態．シンポ開催から2ヶ月以上経ったのでもう記事にはならないのかなと思っていたので，突然の連絡はうれしくありがたかった．
オンラインには「多分」掲載されないらしい．紙面から記事をピックアップしてオンライン化するセクションは紙面編集セクションとは別動なので，はっきり分からないのだそうだ．ふ〜ん．
著者が同じ大学の教員でいらっしゃるらしい（面識もないし，別キャンパスの別学部の方だが）ということもあり，読んでみた．これをアカデミアでない方が読めば「カラクリ」と言うのかなあ，というのが素朴な感想．既にカラクリを通り抜けた（もうくぐる気がないのかと言われたらそんなことはないが）立場からすると，ごく普通の現状がごく普通に書いてあった．いろんな意味で世間をよく見て自らの行動を律し，意欲的に物事に取り組めば報われる可能性が高まる，ということだ．別に学問の世界だからといって特別に他と異なる種類の魑魅魍魎が住んでいるわけではないんだよ，ということが書いてあって，そういう意味では良書だと思う．ちなみに私は「高学歴ワーキングプア」の類にはあまり好感を抱かなかった人間である．
読み終えて早速，今後このカラクリに突入しなければならないポスドクAyaさんにお下げ渡しした．彼女が読み終わったら，院生tobeのB4ちゃんに読んでもらおう．
朝からうっすら靄のかかったような空気の一日．あまり冷え込まないのはよかったが，すっきりはしない．喉の調子もまだすっきりしない．
師走も近づき，会議スケジュールは立て込む一方．今後は定例の水曜日以外にもどかどかど我が物顔でいろんな会議が詰め込まれていくことになる．入試関連のものは土曜日にもいくつか．今日は昼休みにも会議があった．2〜4限に授業がある身としては時間のやりくりが大変だ．今日は2限ゼミを20分ほど早めに終わらせて，おべんとかっこんで，会議に出て，途中で抜けて，個研に戻って，3限の教室まで走ったのだった．まだ師走じゃないのにめっちゃ走るし．
3限は試験＋解説だったので普段の半分しか話す必要がなかったのだが，4限になると喉が限界を迎え，ゲンゲン咳をしながら話してしまった．聞き取りづらくて申し訳ない．そして次にマイクを使う人に申し訳ない．多分すごく感染可能性が高くなったと思う．
まあ，私の風邪の大半はこうした経緯を辿って徐々に平癒に至るもので，無駄に焦っても仕方がない．喉〜気管支以外は問題ないので，もうしばらくの我慢だ．
Before...
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